要するに受け付ける人とそうでない人がはっきり別れるのである。
しかし、こんなことを書くと信じられないかもしれないが、音楽を開始した当初の自分は正統派シンガーソングライターだと思い込んでいた。
北朝鮮の拉致問題を歌った曲も、女性の乳癌を歌った曲も王道なバラードだと思っていたし、間違いなく万人受けすると確信していた。
だが、実際はその真逆で、感動してくれる人もいればドン引きする人もいた。
僕は当初、その現実をなかなか受け入れることができなかったのである。
今考えると笑い話になるのだが、あの頃の自分は何もかもが手探りだったし、自分の音楽の在り方というものが全く分からなかったのだ。
そんな中、僕はとある曲を作曲する。
今ではライブでいちばんの定番曲であり、最も激しく盛り上がる曲だ。
その曲とは……『南無阿弥陀仏』である。
※南無阿弥陀仏の瞬間
南無阿弥陀仏を初めて演奏した時、お客さんの反応は今までとは違っていた。
クセの強い曲には変わりないのだが、好印象を与えることができたのだ。
その瞬間、迷走していた僕の路線は邪道へと切り替わったのである。(とは言ってもたまに王道を目指すべきか否かで悩むことがあります 汗。でも結局邪道に落ち着きます 笑)
今では『万人受けなど糞食らえ』と思い活動している。
協調性を物凄く意識して生活している僕であるが、自分の本当に好きなことに関してはわがままでありたいし、周りに合わせるという窮屈なことは絶対にしたくない。
もちろん、独りよがりな音楽を演っていては日の目を見ることはかなり困難だということも自覚している。
それでも僕にとって、万人受けなど糞食らえなのである。